「お嬢様、色様には何も教えなかったのです?そして、なぜ、優兎様にも全ては教えなかったのですか…?」
「まだ教える時ではないと思ったからよ、柚志亜」
――ピーンポーン
現在の時刻は20時15分。
外はもう真っ暗で、こんな時間に客が来るのは珍しい…と思った。
「柚志亜、中に入れてあげて。」
「え…?お嬢様、誰かわからないのに…」
「多分…優兎だから入れていいわ。」
「わ、わかりました。」
―――ガチャ
扉を開くと私が予想していた通り、優兎が入ってきた。
「優兎、こんな遅くにどうしたの?」
「色々と聞きたいことがあった…から、直接聞きに来た。」
現在20時20分。天気は…雨だ。