「今日はもう上がっていいよ、お疲れ」



店内から店長の声がかかる。

これで今日のバイトは終了だ。



……ふぅ、意外と疲れた。


バイトとはいえ、まだ春休みだから一日中働いた。


……だからもうあたりは暗い。



極度の方向音痴であるあたしにとっては同じ道も昼と夜では全く別物に見える。


北だか南だか、訳がわかんない。


ほんの歩いて7、8分の距離だってあたしには本当に遠く感じる。



それから、一人で帰るのが

……怖くないって言ったら嘘になる。



店長……はまだ仕事をしてくれているから一緒に帰ってもらう訳にはいかない。



残りのあと一人は、無いな。



あんな冷たい人がそんなことしない。



それに女嫌いらしいから、余計ね。