あたしが恐怖に怯えているのに
「勝手になってろ」
むむ……相変わらず、口が悪い……
「嘘、そんな奴いたらシバいてやっから」
……ドキ
何で、こうさ?
緩急つけてくるのかな、心臓に悪いって。
「俺らの学部にお前狙いの奴が結構いんの。
だから見せつける必要があんだよ」
何それ、それはないと思うんだけど。
でも
キュッ
今、隣にいることの出来る喜びの方が大きくて
慧也の手を握る。
慧也は、自分で自分のことを
つまらない男だって言ってたけど
そんなの大間違い。
だってつまらない人だったら
あたしがこんなに
夢中にならないもん。