「辛かったの。

あたしがどんなに頑張っても

全然振り向いてもらえなかったから」




「……」



「あたしだけ好きだって考えちゃって、

慧也が他の女の人といるとなんかモヤモヤして、こんな心の狭くて

醜い自分を見せるのが嫌だった」



やばい、泣きそう。

こんなみっともないこと話して

嫌われちゃったらどうしよう。




「俺は、正直お前しか女に見えない」






え?




「あたしがお弁当渡した時、仲良さそうにしてた人は?」




「あー、あれはクラスメイト。

そして加藤の彼女」






「じゃあなんで来るなって言ったの?」




「男がいっぱいいるから。

変な奴にたぶらかされそうだし?」




……えっと


じゃあ、




「合コン止めてくれなかったのは?」


「束縛なんて嫌がると思った」






なぁんだ。



「一応、彼女として見てくれてたのか」




良かった、良かった。



そう言えば


は?



といきなり慧也の表情は曇っていく。