「誰にだって苦手なこと、あるでしょ?

あたしだって、ニンジン苦手。
ネコだってオバケだって苦手。

それと同じだよ。

でも慧也は女の人が苦手なのに、見ず知らずのあたしをここに置いてくれた。

必死に克服しようとした。

もうこれ以上、頑張りすぎないでいいんだよ。

ありのままの慧也がいい。

ずっと一緒にいたい」




そういうと


はぁ……


とため息をつく慧也。



「何で、真っ直ぐなのかな」




「慧也だからだよ、あたしが素直になれるのも、意地っ張りになっちゃうのも。


恋をすると不自由なの。


自分の感情がわからなくなる。


でもこれだけはわかるよ。

あたしは慧也が好きなの、大好き」



隣にいる慧也は少しだけ瞳を潤ませている?……と思っていると




「……きゃっ」





あたしの体は彼の腕の中に吸い込まれていく。