「それで美優は朝からご機嫌なの?」
学校にて。
咲に問い詰められる。
「フられたら、咲ん家行くからとだけ聞かされて結局来ないし」
それはごめんよ、と詫びる。
「来なかったってことは、上手くいったってこと?あんたら」
うーん、どうなんだろうか。
「好きとは言ったけど、付き合ってって言うの忘れちゃったんだよね」
「アホか」
好きって言うことだけでいっぱいいっぱいになっちゃったんよ。
「っていうかさ、王子からは好きとかそう言う返事はもらえなかったの?」
咲は慧也のことを王子と呼ぶ。
ま、そんなことはいいとして。
「それがさ、何にもないんだよね」
もしかして聞き流されたとか?
「まぁ、また一緒に住むくらいだから嫌いじゃないとは思うけどね」
洗いざらい吐かされたので、咲はもうあたし達の間に起こっていること
何でも知っている。