その時だった。
「おい」
大きな足音と共に現れた
石黒 慧也(18)
「ん?どうしたの?」
せっかくかっこ良く出て行こうと思ってたのに!
と内心では思っている。
すると……
「折半……だからな、家賃」
そう言う慧也の目線はすっかりそらされていて
何を考えているのかわからない。
「えーっと、どうしたの?」
わからないから聞いたのに、
「わかれよ」と怒られる。
余程、あたしにイラっとしたのか
半分投げやりな態度で話す。
「……いいよ、出てかなくて。
……寂しいなら、ここにいれば」
ん?
……あの、今なんて