これじゃあ、部屋を探す前に力尽きてしまうよ。


あたしが翻弄されている間も


「さっさと決めようぜ。部屋」




慧也は顔色ひとつ変えない。





「まあ、お前が住むなら防犯カメラとオールロックのところだな」



「……」



「おい、聞いてんの?」



「……聞いてるよ、何で?」



「……危なっかしいから」




そう言いながらあたしの頭に手を乗せる。




どきっ



慧也触れただけであたしはこんなに動揺してしまうのに


なんでそんなに余裕そうなのよ。




何だか、悔しい。