「おい」 先ほどの声の何オクターブも低い声。 「何してんだよ」 ……何って。 ……あたしなりに、頑張って働いてたんだよ。 「しっかりしろよ」 ……しっかりしてるつもり。 でも、結局迷惑かけちゃった。 慧也がフォローしてくれなかったらきっともっとことが大きくなってたし。 「……」 「何黙ってんだよ」 「……ごめん。何、やってるんだろうね」 本当に。 この店の何の役にもたててない。 さっきのお客様の言葉が蘇ってくる。