「何なのよ、この小娘は!ただ謝ればいいってものじゃないでしょう。


だから早く……の本を探してって言ってるの!!」



いい加減にしてくれる?


そう言いたそうな顔であたしを睨むお客様。





……まただ。






また、聞き取れなかった。







何の本についてだか





……わからないよ





この状況でもう一度聞き返すことなんてもってのほかで



でもどんな本かわからない。



自分でもどうしたらいいのか、わからなくなって


時間が過ぎていくのが怖かった。



どんどん血が遠のいていくのがわかった。