私はこの世界が「プラネット(はぁと)らぶ!!」の世界だと思い出したとはいえ、このゲームのすべてを知っている訳ではない

私が思い出したのはこの世界が乙女ゲームであることと、私が転生した秋月亮は死ぬはずのキャラクターだということ、それと攻略対象達の名前だけだった

そのほかの事は何故か思い出せない

ちなみに前世の記憶も乙女ゲーム以外なかった。だから私は本当に転生したのかも確信がない
前世があったところで知りたいとは思わないけど。過去のことだしね

「さて、そろそろ自己紹介にうつるか」

教室でのいろいろな説明が終わったらしい
現在は始業式も終わり、クラスごとにわかれてHR教室でHRをしている

「えー宇海先生ー高校2年目なんだし別にいーじゃん。みんなだいたいは知ってるだろ」

そうだそうだ。と発言した男の子の周りからも声が上がる

「まぁまぁ、俺たちのクラスには転入生がはいってきてるんだし、した方がいいと思うぞ?転入生はみんなと会うの初めてなんだから、な?」

そう先生が言うとしぶしぶ騒いでいた生徒達は了承したようだ
あ、ちなみに私たちのクラスの担任になったこの宇海先生も攻略キャラだ

「じゃあ、出席番号順で…秋月から」

「えーと、秋月亮です。よろしくー。
あ、私男じゃないから。間違えないでねー」

「「「……」」」

……え、なんでこんなに静かになるの?ほら、せめて拍手くらいしてよ!なんかいたたまれなくなってくるじゃないか

「…まさかオカマ!?」
「あんなにかっこいいのに…」
「オカマ攻めか…うん、いける」
「えーなんか期待してたのと違うー」
「……気持ち悪っ!」

なんだろう、胸のあたりがとても痛い。泣いてもいいだろうか

「お、お前ら!秋月は女だから!!オカマじゃない!!!」

「「「そんなばかな!!」」」

まじで?そんなに男に見えるの?え?ひどいなおい

「うわぁー柔らかーい!!やっぱり女の子だねぇ。残念」

可愛らしい女の子の声が後ろから聞こえる。ん?モミモミ…モミモミ!?

「え、ええええええ」

胸元に違和感がと思ったら、も、揉まれてる!?

ガタッと勢いよく後ずさりしたら…転けた。けど、痛くない。あれ?

「っいてぇ…」

振り返ると先生が下敷きになっていた

「ごめんなさいいい!!」

「や、俺はいいから秋月、前」

イケメンな顔をなぜか赤くさせて、先生は言う

前?
見ると女の子が前に、その子の視線の先は

「わぁお!!ふりふりのピンクなんてかっわいい~」

私のパンツ!?

「ぎゃあああああああ!?」

なんで!?ズボン下におりてる!!??え、え

顔を上げるとみんなの視線が私に集まっている

「…………失礼しますっ!!」

ズボンを上げて教室を出ていった私は悪くないと思う


この後、私はどう人生を終わらそうか真面目に考えていた