「ああ、そうだった。光のクラスはSクラスだ」

…S…?

「…S…とは…?」

「ああ、Sには頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗、族の幹部以上、なにか特技がある奴、変人…、まぁ、普通じゃない奴が入るとこだ」

「…つまり…、私は普通じゃないと…?」

「いやいや、選ばれた者しか入れない特別なクラスだ」

それ、言い方変えただけですよね。

完全に私のこと変人って思ってますよね。

「…まぁ…、がんばれ」

他人事だと思って…。

「今クラスの担任を呼ぶが、気を付けろ。普通じゃないから」

…ですよねー。

ピンポンパンポン

『Sクラスの担任、大至急理事長室』

ブツ

…てきとー。

ガチャガチャバタン

…なんの音?

ガチャ

「失礼しまーす♪」

入ってきたのはチャラ男。

ホストみたいにワックスをかけた赤っぽい髪。

大量のピアス。

着崩したスーツ。

第二ボタンを開け、鎖骨は丸見え。

スーツなのに腰パン。

教師にあるまじき服装。

確かに変わってるわ…。

こんな奴が担任なの?

大丈夫?

「光、紹介するよ。この人はSクラス担任の結城守先生だ」

「ちわーす♪」

なんだこの男。

眉をひそめてケンを見るとケンは苦笑いして、

「こういう人なんだ」

と言った。

「ところで先生、さっきの音はなんですか?」

「いや~、転んじゃって~。参った参った」

アハハハと笑う結城守先生。

転んだだけであんな音鳴る?

「じゃあ、行こうか☆」

ルンルンで理事長室を出て行く先生。

私もその後を渋々ついて行った。