「……ハァ ハァ…ヒィヒィ、フゥフゥ……セ、セーフ…!……ギャァァァア!!!???」

私は走った先にある教室のドアを乱暴に開け、倒れ込んだ。

もう大丈夫だと思って顔を上げると四つの男と目が合った。

私は叫び声を上げ、ドアに背中を張りつけた。

お、男…!男がいる…!しかも四つも…!

ぎ、ぎもぢ悪~い…!!

最初は突然のことに呆然と固まっていた男達がようやく我に返り、動き出した。

「…君、誰?」

話しかけられちゃった…。

ど、どうしよう…。

……いつ逃げる…?

……今でしょ!!

ダッ

「あ!おい、待て!」

再び猛ダッシュ。

全くどうなってんだ、この学校は。

いつまでたっても理事長室につけやしねぇ。

後ろには追っ手がいるし。

ちらっと後ろを見る。

…うん、見なきゃ良かった。

え?ほんとなに?後ろ地獄絵図なんだけど。

なんで最初四人しかいなかったはずなのに増えてんだ。

分身か?分身なのか!?

百人以上いるんじゃねぇの。

マジ怖い。

なんで道に迷っただけで追われなきゃいけねぇんだよ…!!

…もう、やだ。帰りたい…。

……走っちゃだめなんだけどなぁ…。

しかし神様は私を完全に見捨ててはいなかったらしい。