liberty~俺達のヒマをつぶしておくれ~

「それじゃあ4組の応援合戦は応援団に決まり、人数は15人です。競技者は投票の結果……」


なっちゃんは投票紙を確認した後、票数の多かったやつの名前を次々に読んでいく。
応援団なだけあって男子がほとんどだ。


「それから、荒川、岡本、後藤、長坂、松岡。以上の15人です」


「ぼく達も応援団するの??」


「いいじゃ~ん女の子に目立つよね~」


最後に俺達5人の名前を呼ばれたのを聞き、驚いた顔をするりょーすけとヘラヘラ笑うナル。


「えーー……めんどくさ……」


「カナデが学ランいいよねなんて言ったからだよ」


自分で学ランならいいよねなんて言ったのに、いざするとなるとめんどくさい発言をするカナ。
そんなカナにハハハッと笑いながら正論を返す瀬那。


「せっかく選ばれたんだから気合い入れていこーぜ!」


ニッと笑ってそう言えば、4人はそれぞれに違う笑い方をしながらも頷いた。


「それじゃあ最後に文化祭での出し物についての話をします」


2日目の文化祭は一般公開になっていて、クラスごとの出し物も、一般客からの投票と他学年からの投票で優勝クラスを決める。
基本的には何を出してもOKで、クラスによっては食べ物だけのクラスや、展示やゲームだけのクラス、両方するクラスもある。


「クラスの出し物かー……去年は展示だったな」


「展示は作る時間が結構かかって大変だったよね」


俺達が1年の時の出し物について苦笑いをしながら話す瀬那とりょーすけ。


「libertyの5人」


騒がしい教室の中、突然なっちゃんが俺達の方へ歩いて声をかけてきた。


「先生が呼んでる」


なっちゃんの指差す方へ目を向けると、廊下から顔を覗かせる1人の先生。
俺達は首を傾げながら廊下へ向かった。


「あっ、何か1つでも意見ちょうだい??」


「ナル、何かテキトーに書いておいて」


「は~い了解~」


なっちゃんに呼び止められ、カナに指示されたナルは紙に何かを書いてそれをなっちゃんに渡してからこっちへ来た。


「悪いね突然」


申し訳なさそうに笑う男の教師。
笑顔で首を振るりょーすけと対照的に舌打ちをして「男かよ……」と言うナル。


「実は、君達libertyのことが職員会議で挙がってね……」


本日2回目の嫌な予感。


「libertyの活動内容が不明だから……ちょっと問題じゃないのかと……」


言葉を濁すように歯切れの悪い喋り方をする先生。
もしかしてこれってliberty解散の危機じゃね??