美鳥は不機嫌そうに片目を眇める。


「…シロを黙らせる為だ。どうにかしとかねぇと面倒なんだよ、彼奴は。」


絶対無敵の孤高の王様。そんな称号すら似合う美鳥が手を焼くのが、シロという存在だった。


今まで何度かその名は聞いてきたものの、唯一無二の親友である津雲でさえシロを見たことは無い。ただ、美鳥と犬猿の仲ということしか知らない。


津雲は苦笑を浮かべて、取り敢えずはなすべきことを成す。漸く、美鳥の望みが叶う。そしてそれは、津雲の望みでもあるのだから。















…その二日後、北郷 美鳥は自分のこの選択を悔やむ事になる…。