…如月 鳴世の世界が狂ったのは、中学を卒業する三日前の事だった…。
「……悪いね…っ。最後まで、きみを幸せにしてあげれない……。」
純白の色に染められた女は、あの日と同じように懺悔と苦悩の色を浮かべる。
…だから、わたしは始めて声を上げて泣いた。
どうしても伝えたかった。すべてが嘘だったわけでもないし、悲惨だとも思わない。
わたしは、もう十分に『幸せ』を感じられた。
泣き叫ぶわたしに純白の女は泣きそうな笑顔で言った。
「………きみに、持論である『幸せ』の意味を教えてあげよう。」
最後になるから、よく聞くんだよ?
それが、如月 鳴世と純白の女が交わした最期の会話だった………。