なんとか朝、榊に出くわすことなく登校できた。
私ん家と、榊ん家は、それなりに近いから、
朝、時々会うのだ。
「おはよ、果歩。
どした?なんかあった?」
「あさみ!」
教室に入って最初に話しかけてきたのが、
私の一番の理解者、柴田あさみ。
同じクラス。
小学校は別々だったけど、
中1からクラスが一緒で
意気投合してからずっと
仲良しだ。
「元気なくない?」
「ああ…え、と…朝からおなか痛くて。今も。」
「…そか。大丈夫?トイレいく?」
「あ、うん…そうしようかな。」
「じゃ、行こっ!」
あさみ には、なぜか言えなかった。
まず、榊の事知らないかもしれないし、
なんか、恥ずかしい。
“榊が自分の事好きらしい”
なにそれ、自慢?って
思われそうで…