「一つ目の聖具によって、聖乙女に与えられる力は…

魔月たちから姿を隠す力。

星麗の息吹たる水の中で自在に呼吸ができる力。

そして残りの聖具の場所を悟る力。

二つ目の聖具を手に入れれば…

癒しの力をまったく消耗せずに使えるようになります。

三つ目の聖具を手にした時…

あなたは怪我だけでなく、どんな病をも癒す癒しの力を、まったく消耗せずに使えるようになるでしょう。

あ…れ?」

「どうかしたの? セラフィム様」

セラフィムが急に焦ったような声をあげたので、フューリィが怪訝そうに問いかける。

「いや…星麗文字であるはずなのに、私にも読めない部分があるのです。この最後の一行なのですが…いったいこれは、どういう…」

「最後の一行…ここですか?
私、少し読めますけど…」

弾かれたように、セラフィムが顔を上げてリュティアを見る。