「俺が注意してんのは…本当に基本的な事なんだけど…」
あたしよりも疲れたような顔してる朝比奈。申し訳ないけれども。
「だからってそんな鬼の形相で怒らなくても…」
そう言ったあたしを朝比奈は軽く睨んだ。
「明日も明後日もこんな感じだからヨロシク。ほら、帰んぞ」
「お疲れ様〜」
山中さんが愉快そうに手をヒラヒラさせて見送られながら、あたしは朝比奈の後を追った。
「ま、待って朝比奈…っ」
そう言うと、珍しい事に朝比奈の足がピタリと止まってあたしが居る方を振り返った。
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