電話を切って、それからあたしが何回電話したってシカトされるから、だからこそあたしは今、こうして佑真の誕生日に玄関の前に立ってる訳で。
インターフォンを鳴らして、スピーカーに向かって話し掛ける。
「ゆーまー」
迷惑だって事は十分承知してるけど、今は佑真のパパもママもあたしん家であたしのパパとママと呑んでるから、つまりは佑真にしか迷惑は掛かってない。なんつって。
「ゆーま、寒いー」
「寒いよぉぉお」
そこまで言うと、突然インターフォンのライトが光って、
「うっせぇんだよ、今からセコム呼ぶからそこでちょっと待ってろ」
「は? セコム!? あたし不審者じゃないんですけど! ちょっと!佑真!」
ライトが消えて、佑真がインターフォンを切ったのが分かる。