「あたし洗車するし!朝比奈行ってきてよ。ちょっと今あたし祐真と会いたくないしっ」
全力で拒否するけど、朝比奈は行けとばかりにあたしを見つめる。
「声がでけぇんだよバカ、とりあえず行ってこいよ。もう給油し始めてんじゃん」
有無をいわせないその態度に物怖じして、結局祐真のところへ足を進めた。
「…嫌だって言ってんのにぃ」
小言をぶつくさ言いながら祐真の近くまでやってくると、目が合って、それから目を逸らされた。
「…ゆ、祐真っ」
「声がでけぇんだよバカ柚子。俺に会いたくないんだって?」
皮肉たっぷりの言葉であたしを見ずにそう言った祐真。やっぱりかっこいい。
「会いたくない時だってあるじゃん」
「ずっと俺のこと避けてるもんなお前」
給油し終わると、慣れた手つきで片付けていく。