あたしは給油に付いて待機してると、洗車の途中抜けて、何故か朝比奈があたしのところまできた。
怒られるのかと思ったけど、遠くを見ながらあたしにこう言った。
「…知ってるかもしんねぇけど、ここ祐真先輩良くセルフコーナーに給油しに来るからよろしく」
「……まじで?」
知らなかった。祐真が使ってるガソリンスタンドなんて。
「…あ、あれやっぱ祐真先輩だな」
朝比奈が見つめてる方向に目をやると一台のバイクがスタンドに入ってくる。
それをボーッと見てると、朝比奈に背中をグイグイ押された。
「はい行って来い。セルフコーナーだからって無視して良い訳じゃねぇぞオイル交換とかバッテリーとか聞いて来い」
「…えっ、え、やだっ」
あたしの抵抗も気にとめることもなく背中をセルフコーナーに向かって押される。