「でも、桜村さんは未月様のこと気になってるのではないのですか?」

「……鏑木さんは山神くんのこと好きなんだよね?」

鏑木さんの質問に答えずに、質問で返してしまった。

「はい。好きです」

それなのにはっきりそう答える鏑木さんが、素直で、そして強く見えた。
そんな鏑木さんがすごいなって思う。

「うまくいくといいね!応援してる」

あたしはそう言った。

「本当ですか‼︎」

鏑木さんは目を輝かせて言った。

「うん!」

「嬉しい!…実はこういう話をできる友人がいなくて。相手は漣様だし尚更言いづらくて…」

「ふふっ。あたしも!こうやって恋バナできる普通の友達がいたらなって思ってたの!」

「わたくしのことは杏菜ちゃんって呼んでください‼︎」

満面の笑みを浮かべて杏菜ちゃんは言った。

「じゃああたしは朱莉ちゃんで!」

そう言ってあたしも笑った。