「俺と付き合ってるって言っとけよ」

「はぁ?何でそうなるのよ」

「その方がいろいろめんどくさくないから」

「は?めんどくさくしてるのあんたじゃない!」

「うるせーな!朱莉はいちいち口答えが多いんだよ!」

「なっ…‼︎」

「もう黙って俺の言うこと聞いとけよ!それから早くそれ着ろ!」

未月の顔が赤かった。

(もしかして…ヤキモチ妬いてくれたの?)

そう思ったら何だか嬉しくなった。

「わかったわよ…」

あたしはそう言いながら、未月の匂いがするパーカーを羽織った。

「ん、戻るぞ」

ぶっきらぼうに差し出された未月の手を握って、あたしたちはホテルに帰った。