「ちょっと何なの⁉︎」

理由も言わずにここまで連れてきた未月にあたしはそう言った。
そんなあたしをチラッと見ると、未月は着ていたパーカーを脱いでバサっとあたしに投げた。

「だからなんなの⁉︎」

「それ、着とけ」

「は?」

「いーから着とけよ!」

「何でよ⁉︎」

「…っ‼︎あーっ‼︎」

未月はあたしの腕を掴んだ。

「何すんの⁉︎」

「男!」

「男が何よ」

「男が朱莉の目の前通りまくってただろ」

「言われてみれば…」

「朱莉のスタイルヤバイって、ヤリてーって言われてんだぞ?」

「ちょっと!変な言いがかりはやめてよ‼︎」

「言いがかりなんかじゃねーよ!」

「意味わかんな…」

「それに、なんで漣なんかとイチャついてんだよ!このバカ‼︎」

「バカって何よ!それにイチャついてなんかないし!」

「じゃー何でキスなんかさせてんだよ」

「あれは山神くんが勝手に…‼︎」

そう言いかけて、あたしの唇は塞がれてしまった。