2組に行くと、大勢の男子が私たちの方を見て、やっぱ可愛いなどと言って友達と話している。


里香にお願いして、小林君を呼んでもらうことにした。


「小林君っていますか?」


「俺だけど…何か用?」


「あ…私じゃなくて…」


「ん?」


「はじめまして!
小林君!」


「え…

宮下さん!?」


「というか何で俺の名前知ってんの?」



「実はさっき、お兄さんに会って…」


「え…兄貴に会ったの?」


「うん…それで、弟がいるって言ってたから、どんな人なんだろうって思って来てみたんだ…
ごめんね…迷惑だったでしょう?」


「いや…すごく嬉しい…
俺、入学式の日に、宮下さんを見て凄く可愛いなと思って…でも絶対話すことはないんだろうなって思ってたから…」


「そうなんだ…」


「あのさ、こんなことを言うのもあれだけど、友達になって欲しいな…」


「私で良ければ…」


「本当に?」


「うん!」


「あのさ、名前の呼び方なんだけど…」


「何でも良いよ!」


「じゃあ…呼び捨ては悪いから…沙希ちゃんでもいい?」


「良いよ!じゃあ…私は…陸人君でいい?」


「良いよ!
……あのさ、アドレス教えて欲しいんだけど…」


「良いよ!」



こうして1日に2つの出会いがあった。