携帯、持ってきたらよかった…。


なんで、朝忘れてきちゃったんだろう。


携帯があれば、お母さんにメールで言い訳できるのに。




「ねぇ、私、先に帰るよ?」




私は、円にそう言った。




だって、早く帰らないと怒られるし…。


携帯没収されるかも…。




だけど、円は、




「なんで!?私達、友達でしょ!?


なんで待ってくれないの!?」




と、目をギラギラにさせて、私に大声で怒鳴ってきたのだ。




その怒鳴り声はまるで、私が愛里を殺そうとして、沖本君が止めた、


あの時の沖本君の怒鳴り声にそっくりだった。




-お前、何愛里を殺そうとしてんだよ!!!


-殺人未遂とか、本当最低だな!!!




あの時に発した沖本君の言葉を思い出してしまう。


呼吸が苦しくなる。




「はっ…はっ………!」