「貴方は、沖本君のことがずっと好きだったていうけれど、


沖本君は私のことを好きだったの!


だから、私が奪ったわけじゃないわ、彼が私を選んだのよ!」


「だって……だって……!」




私は、反論のしようがなくなってしまった。


だって、愛里の言っていることは事実だったから。




私の声は、弱くなってゆく一方だった。




「大体、気持ちを伝えなかった雅が悪いのよ!!」




その最後の愛里の言葉は、一番、私の心に深く突き刺さった。


私の心に深く刺さったナイフで、心臓を抉られているような痛みだ…。




「話はそれだけ?私、もう帰るから!沖本君も待っているし!」




そう言って、愛里は去っていった。