そして、今日も私は密かに沖本君に会いに行く。


会いに行くといっても、空き教室から


サッカーの練習をする沖本君を眺めるだけだけれど。




沖本君は、必死にボールを追いかけている。




「はぁ…格好いいなぁ……」




沖本君に、私はまだ恋し続けている。


でも、沖本君は私の事が嫌いだ。


だから、迷惑にならないよう、こうして気付かれないように、


私はいつも沖本君を見ている。




最近、私は沖本君を密かに見つめる事が多くなった気がする。




心の拠りどころというか、大好きな沖本君の姿を見ると、


いじめられていても、平気な気がするのだ。




沖本君がどんなに私に冷たく接しても、


私は沖本君を愛し続けている。