~ 蛍 視点 ~


「起きろ、起きろ。」


誰かが言っている。


「蛍…起きろ。」


誰?


私の名前をやさしい声で呼んでいる。


私は目を開けた。


そこには…
さっきの男の人が私を起こしていた。


「着いた。行くぞ。」


男が私の手をとり、歩きだした。