ある程度まとまった金額だから、早めに支払いを終わらせておいたほうがいいと思ったのだ。


だけど、実紗は更に目を吊り上げ怒ったような表情になっている。


「支払いが終わってからダイレクトメールが届くようになるなんて、余計に怪しいと思わない?」


そう言われればそうだ。


支払いが終わる前に情報を流してしまうと、勘づかれて支払ってもらえなくなるかもしれない。


だから支払いを待ってから、あたしたちの個人情報を流出させたという可能性はある。


「でも、なんのために?」


「そんなの売っているに決まっているでしょ」


実紗がスラッとそう言った。


「そんなの、犯罪じゃない」


「犯罪を犯罪と思わない人もいるってことよ」


「そうなんだ……」


あたしは実紗の言葉に少しうつむいて返事をした。