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家に戻ってすぐに自室へと入ると、そこには朝と同じような場所に座っている蒼太の姿があった。


「お帰り陽子。バイトお疲れ様」


そう言いニッコリと笑う蒼太。



「ただいま、蒼太」


あたしは蒼太にそう言い、フッと疲れが抜けるような感覚を味わった。


蒼太のこの笑顔だけでアルバイトの疲れが飛んでしまうなんて、あたしは自分の単純さに思わず笑顔がもれた。


「どうしたの陽子、何か楽しいことでもあった?」


「ううん。なんでもない。ご飯とお風呂を済ませてくるから、蒼太は先に寝ていて?」


「あぁ、ありがとう。でも陽子が部屋に戻ってくるまで起きて待っているよ」


「そっか……、じゃぁ待っていてね」


あたしはそう言うと、部屋着に着替えて一階へとおりたのだった。