蒼太は後ろを向いていて、あたしの動きに気が付かない。


「蒼太……今までありがとう」


あたしは蒼太に聞こえないほど小さな声で言った。


「そして……さようなら」


スイッチに指が触れる。


瞬間、蒼太が振り向いた。


指にグッと力を込める。


蒼太があたしに向かって手を振り上げる。


カチンッ……。


スイッチを切る音と、頭へ受けた衝撃が同時に訪れあたしの意識は遠のいた……。