思わぬところから得た有力情報を胸に抱え、あたしは家に帰ってきていた。


日はとっくに落ちていて真っ暗だ。


両親には途中で連絡を入れているから心配はなく、あたしの不安はすべて蒼太に向けられていた。


もうみんな眠っているのか、静かな家の中に足を踏み入れるのはなんだか悪い事をしているような気になった。


「ただいま……」


誰ともなく声をかけてそっと階段をあがる。


蒼太はあたしに向かってなんというだろうか？


一段上がる度にドクドクと心臓が早くなって行く。


帰りながら今日はリビングで眠ろうかと考えていたが、１日蒼太の顔を見ないとなると、翌日がこわかった。


あたしは音をたてないようにそっと自室のドアを開けた。


真っ暗な部屋の電気を付ける。


すると部屋の隅で立膝をして目を閉じている蒼太がいた。


眠っているのだろうか……？