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あまり気の進まない予定が入っている日に限って、放課後はあっという間にやってくる。


授業中に、休み時間中に、あたしは実紗の気が変わらないかと、少しだけ期待をしていた。


しかし実紗の気持ちは変わらず、授業が1つ終わるにつれてその表情は明るくなって行った。


「じゃ、行こうか陽子」


ホームルームを終えてすぐにあたしの机の前に立つ実紗に、あたしはとうとう観念した。


「うん」


そう返事をして力なく立ちあがる。


教科書の大半を机の中に起きっぱなしにしているため、いつもは軽いハズのカバンがズッシリと重く肩へのしかかる。


実紗の飛び跳ねるような軽快な足取りに比べ、あたしはズルズルと引きずるようにして歩く。


この正反対なあたしたちを見て、クラスメイトたちは首をかしげた。


あたしは実紗の後ろについて歩きながら、昨日と変わらない商店街を歩いた。