「え?」


「大規模な組織だとしたら、ネット上の情報を管理して消去している人がいるかも。


だから【彼氏人形】都市伝説として広まって、現実にはありえないと思われているんじゃないかな?」


買った人は全員殺され、情報は消される。


そうなると、残るのは【彼氏人形】の話を聞いたことのある人だけになる。


とても現実的じゃない【彼氏人形】の話は誰も本気にはしない。


だから、都市伝説になってしまう。


「そうかも……」


頭の中で整理ができて、あたしはうなづいた。


「でも、組織ぐるみでそんな事をしてどうなるの?」


恭子さんがそう聞いてきた。


「あたしたちが【彼氏人形】を買ったときは個人情報を売買されていました。


それに格安で手に入る【彼氏人形】はおそらくすべてが欠陥品で、それを知った上で販売しているはずです」