その後も期待して読み進めるが、【彼氏人形】を止める術を見つけることができたとは、どこにも書かれていなかった。


「……結局、わからなかった……」


最後まで読み終えたあたしはフッと肩の力を抜いた。


有力な手がかりがつかめると思っていたけれど、どこで購入したとか、お店の人の名前なども書かれていなかった。


【彼氏人形】の噂から考えれば、転々とお店を移動させながら販売しているのは藤井さんだけじゃないハズだ。


他にももっと沢山いても不思議じゃない。


でも、そのわりにはネットで【彼氏人形】を購入したという記事を見ないのはおかしい点だ。


ネットよく利用する子なら、自分の【彼氏人形】を見せ合ったりしてもおかしくない。


あたしは首をかしげながら、パソコンをシャットダウンした。


「ねぇもしかして。彼氏人形についての有力な情報はすべて消されているってことはないよね?」


実紗がふと思いついたようにそう言った。