その本棚には乱雑に本が詰め込まれていて、漫画や卒業アルバムがごちゃごちゃに入れられている。


「このへんにあったハズなんだけだけどなぁ……どこだったかなぁ……」


良子さんはボソボソと呟きながら本棚の中をひっかきまわす。


そして数分後「あった!!」という声と共に、良子さんがアドレス帳を一冊手に持って戻ってきた。


「これ、あたしの中学校の頃のアドレス帳」


埃が被ったアドレス帳もヒョウ柄で、中学時代から良子さんは派手だったということをうかがわせた。


「亡くなった1年生にはお姉さんがいてね、あたしと同級生なの。


高校は別々のところへ行っているから最近は連絡をとっていないけれど、昔は仲が良かったよ」


そう言いながら、良子さんはアドレス帳のあるページで手を止めた。


「この子よ」


そう言ってあたしたちのそのアドレスを見せてくれる。