実紗の顔がサッと青ざめる。


他人事や噂ではすまされないのだろう。


あたしも、実紗と同じ気持ちだ。


「その1年生が本当に彼氏人形を購入したのかどうかわからないらしいけれど、もし、それが本当のことだったとしたら……」


その先の言葉を、あたしは飲み込んだ。


想像しただけで十分に恐ろしくて口に出すことなんてできなかった。


「どうしよう。このままじゃあたしたちもその子と同じになっちゃう……!!」


「でも、都市伝説だって言われるくらい知れ渡っていることなら、彼氏人形についての情報も出回っていると思わない?」


「そう言われれば……」


実紗が視線をあたしからネットカフェへと移した。


「ここで調べてみようって、こと?」


「うん。なにもしていないより気分も紛れるし、行ってみない?」


「もちろん。行ってみよう」


こうして、あたしたちはそのネットカフェに入ることになったのだった。