そう説明をして、藤井さんはチップを元の場所に戻した。


「総合したら、いくらくらいかかりますか?」


実紗がそう聞く。


すると藤井さんは少し視線を空中に泳がせて考えると、電卓を取り出してはじきだした。


「あたなたたちはまだ学生だから、特別に割り引かせてもらうけど……だいたこの程度ね」


そう言い、実紗に電卓を見せる。


あたしも横からその金額を確認すると、今働いているアルバイト代で十分に買える金額で、驚いて目を見開いた。


こんなもの、学生でも手が届くんだ……。


「ねぇ陽子一緒に買おうよ」


「えぇ? あたしはいいよ……」


「なんで彼氏ほしいんでしょう?」


実紗があたしの服のそでを引っ張る。


「別に彼氏なんて……」