その力は人間からかけ離れていて、肩の骨がミシミシと悲鳴をあげる。


「やめて!! 離して!!」


痛みに涙が浮かび、悲鳴に近い声を上げる。


それでも蒼太は力を緩めず、あたしの肩を締め上げる。


このままでは殺されてしまう!!


本能的にそんな思いがよぎる。


「他に相手なんていない!」


「証拠は?」


蒼太が射るような目であたしを見つめる。


「……携帯電話……見ていいから……」


震える声でそう言うと、蒼太があたしの学生カバンへ視線をうつした。


そして両手に込められていた力が抜ける。


あたしはそれと同時にその場にズルズルとしゃがみ込み、両肩の痛みにしゃくりあげた。