あたしは蒼太から距離を置くように後ずさりをした。


しかし、蒼太はすぐに距離を詰めてきた。


「陽子、俺以外に好きな男がいるんじゃないだろうな?」


「な、なにを言っているの!?」


あたしは驚いて蒼太を見る。


蒼太は真剣そのものだ。


「俺の事を両親に説明しないっていうのは、そうことじゃないのか?」


「ち、違うって!!」


「じゃぁ、どういうことだよ?」


蒼太の手が伸びて来て、あたしの前髪を束で掴んだ。


「痛っ!! やめて蒼太!!」


「説明しろ!!」


蒼太はあたしの髪から手を離すと、今度は肩を壁に押し付けてきた。