そんな良子さんに、ふとある思いが浮かんだ。


有里も良子さんも派手なタイプの女子高生だ。


もしかしたら、良子さんも彼氏人形について知っているんじゃないだろうか？


「ねぇ、良子さん」


「なに？」


「……彼氏人形って、知っていますか？」


少し迷った後、あたしはそう聞いた。


あたしの言葉に良子さんは口に運びかけたパンを途中で止めた。


「彼氏人形って、あの都市伝説の？」


「都市伝説……ですか？」


彼氏人形の事を尋ねて都市伝説という言葉が出てくるとは思っていなくて、あたしは瞬きを繰り返した。