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平日という事で商店街には人が少なく、閑散としていた。


いつも流れているBGMも、寂しい雰囲気を加速させているように感じる。


2人で足早に立ち並ぶ店を通り過ぎ、パン屋の横の路地へと入る。


「あ、開いてる!!」


路地へ入った瞬間、実紗がそう言った。


見てみると【ドールハウス】の看板がちゃんとそこに出ていたのだ。


あたしと実紗は顔を見合わせ、小走りにお店へ向かう。


お店は初めて来た時と同じようにオープンの文字が掲げられていた。


あたしたちは躊躇することなくそのドアを開け、「すみません!」と、大きな声をあげた。


少し待っているとスタッフルームからごそごそと物音が聞こえて来て、藤井さんが顔をのぞかせた。


「あら、あなたたちどうしたの?」


「藤井さん、見てくださいこれを」