☆☆☆

【ドールハウス】が開いているかどうかはわからない。


もうお店ごとなくなっている可能性だってある。


でも、このまま黙っておくワケにはいかなかった。


実紗の骨折は葵君が原因だ。


そんな人形を手元に置いておくなんて、危険すぎる。


放課後になり、あたしと実紗はすぐにカバンを掴んで教室を出た。


「実紗、カバン持つよ?」


「ごめんね、ありがとう」


あたしは実紗のカバンを受け取り、両手に持った。


教科書は教室に置いたままなので、たいして重たくもない。


「商店街までちょっとあるけど、実紗歩ける?」


「うん、そのくらい大丈夫」


そうして、あたしたちは再び商店街へ向けて歩き出したのだった。