「で?俺を呼びに来て。デートのお誘いかな?」
「そんなわけっ…‼︎あ、あーーっ‼︎」

もう、こんなことしてる場合じゃなかったのに‼︎

「尚樹‼︎ちょっと、一緒に来て?」
「なぁに、そんな腕掴んじゃって。胸当たってるし、相当エロイよ?」
「や、やめてよ。そういうんじゃないんだからっ‼︎いいから、早く‼︎」

お客さん待たせてるんだからっ。『エロイ』とか、変なこと言わないでよっ。

これから戻るのに顔赤くなるでしょっ‼︎

「ハイハイ。今、行くから。そんなに引っ張らないの」
「……っ、早くしてっ」

だめっ、あの話のせいでまともに顔見れない‼︎

確かに尚樹には、何か口説かれたけど…。碧都にも、キスされたけど…。

あれはっ、本気じゃなくって…。じゃぁ、なに?

あ、ホラ‼︎眞一郎にもキスされたじゃない‼︎

もっ、もう。みんなモテるから、わたしのことからかってくれちゃって‼︎

そう、きっとそう‼︎

「なぁ、俺は?」
「へっ⁉︎な、急になに碧都っ」
「尚樹が必要なわけ、お前」
「いやっ、あの、まぁそうだね」

だって、『カキ氷』に関してだし‼︎碧都に聞くより、尚樹でしょ。

「チッ、気に入らね」
「え、なにが⁉︎ちょっと、碧都‼︎」

碧都は、舌打ちをすると座ってたベッドを降り、乱暴に『バサッ』と布団を剥がすと豪快に転がり、ソレを頭までスッポリかぶると何も喋らなくなってしまった。