「ほら、もう戻るよ?碧都がいないと、みんな困るでしょ?」
「そんなことねぇだろ。逆に喜んでんじゃねぇの?」
「そんなこと…‼︎」

ん…?あるのかなぁ?碧都リーダーっぽいし。

リーダーって、いなくなるとホッとするしねぇ。

「おい、なに止まってんだよ」
「えっ?」
「ウソでも、“そんなことない”って言えよ。傷付くじゃねぇか」
「…碧都でも傷付くんだ」
「お前なぁ…。俺をなんだと思ってんだよ」

そうだよね。碧都、まだ23歳だもんね。こんなに態度でかいけど、オトナと言われる年から、まだ三年だもんなぁ。

「ごめんごめん。じゃぁ、戻るよ?」

やっぱり碧都は本気じゃない。本気なら、あの時絶対にわたしの上から降りないし。

碧都に背中を向けて、一歩。歩き出して、足を止めた。

「ねぇ、碧都」
「あ?」
「……やったの?」
「はぁ?」

碧都が怪訝そうな顔をしているのが、なんとなく見える。

「だっ、だから‼︎あの…オンナノコたちと…ヤったの⁉︎」

半ばヤケクソだった。碧都の顔は見てないから、どんな顔をしているのか分からない。

オマケに“うんともすんとも”言わないし…。

なによ、なにも反応がなかったら気になるじゃないっ。