「150円と150円なら、暗算でいけるやろ?足してみ?」
「300円…」
「せや。じゃぁ、その金額をお客さんに伝えて?」

楓に言われて顔を上げると、可愛らしいオンナノコ二人が、わたしを見てニッコリとしてくれた。

だからなのか、自然とわたしも笑顔になって『300円になります‼︎』と、言えた。

「あの…。200円ずつ出してもいいですか…?」

あ、150円がないんだ。わたしもお友達と何か食べる時、困ったことがあった。

そんな時、レジのお姉さんが別々にしてくれたっけ。

それを思い出して楓を見れば、楓はクスッと笑って『金額さえ合っていれば、杏ちゃんの好きにしてええよ』と言ってくれた。

「400円でも、いいですよ」

楓に許可をもらったわたしは、二人から400円を受け取った。

「うん、じゃぁ次ね。レジにイチゴとかメロンとか書いてあるやろ?それをポンッと押して?」
「う、うん…」

言われた通り、イチゴとメロンのキーボタンを押すと150円が二つになり、300円と表示された。

「じゃぁ、次や。数字の400を押して?」
「よん、ひゃく…っと。押したよ?」
「うん。そしたら現計や」
「げん、けい…?」

探すと右下のほうに、“現計”と書いてあるキーボタンがあった。