「とりあえず。しん、少しだけ時間もらえないか」
「うんっ、分かった。ボクが、なおちゃんと杏ちゃんの分まで頑張る‼︎」
「悪いな。杏、行くよ」
「眞一郎、ごめんねっ。すぐ戻るから‼︎」

わたしが目を細めると、同じように目を細め頷いてくれた眞一郎。

早く戻らなきゃね‼︎

そう思いながら尚樹と、奥の部屋に入った。

「杏、おいで」
「え?ま、待って‼︎とりあえず、コレ縛り直したいからっ」

部屋に入ってすぐに、尚樹は手招きした。でも、まだわたしは手をクロスしてるわけで、早いとこコレを直してしまいたかった。

「うん、だから。俺がやってあげるから、おいでって言ってんの」
「えっ⁉︎や、やだよぉ‼︎これくらいわたし自分で、できるしィ‼︎」
「…身体、震えてんのに縛れんの」

えっ?あれ…。さっきまで、全然震えてなんかなかったのに、いつからわたしこんな震えてたんだろう…。

「ほら、早く。今すぐ来ないと、ソレ剥ぎ取るよ?」
「お願いします‼︎」

それだけは勘弁してっ‼︎尚樹の言葉を聞いて、わたしはすぐに尚樹の前に立った。

「ん、手どけて」
「いや、でも、これどけたらさっ…?」

確実、ポロリでしょっ⁉︎それだけはマジで勘弁よ‼︎

顔から火出ちゃう‼︎恥ずかしいんだってばっ‼︎