「うん、大丈夫‼︎よし、働く…」
「なに言ってんの。杏は、俺とコッチの部屋」

そう言った尚樹は、そっとわたしの肩に触れた。

「しん。ちょい俺ら抜けるから。あと、ヨロシク」
「え?えぇっ⁉︎どうしてさ‼︎あ、杏ちゃんと海行ったの根に持ってるんでしょ⁉︎なにもそれ今じゃなくたって…」
「違うっつーの。杏の水着」
「み、ずぎ…?って、えっ⁉︎杏ちゃん‼︎どうしたの⁉︎」

尚樹に言われ眞一郎がわたしの水着を見るなり、目をパチパチさせた。

「えっと…」
「しん、察しろよ。いただろ、ここに二人」

わたしが何も言えずにいると、尚樹が代わりに言ってくれた。

「えっ⁉︎なに、あいつらにされたの⁉︎…許せない、ボク行ってくる」
「アホ。しんが抜けたら、あの二人怒るだろ」
「でもっ…‼︎」

眞一郎の気持ちが嬉しかった。『許せない』って言ってくれたことも、その気持ちも、全部全部…。

「杏ちゃん…。ごめんね…。ボクがすぐに気付けば良かったのに…」
「ううん。眞一郎は、若いお胸の大きい子たちに夢中だったから気にしてないよ」
「あ、杏ちゃ〜ん…‼︎ごめんってばぁ‼︎」

あれ?言い過ぎた?冗談で言ったんだけど、本気にしちゃったのかな…。